我が紫雲寮半万年の歴史について説明しよう。起源はまだ神秘の力が現存し、神々と人の距離が近かった神代、紀元前3世紀に遡る。当時のことを伺い知る資料は悠久の時間の中、幾度となく繰り返された興亡の末にほとんどが消失した。しかしエジプトのピラミッドや高句麗の壁画「手博図」、ラスコーの壁画など我々の歴史の断片が世界中に点在したいる。

この神州に文明が起こってから後、北辰斜めに差すこの南の郷で治乱興亡を俯瞰し続けてきた。紫雲寮についての記述は古事記や日本書紀に多々見られ、今では神話上の存在と考えられているが、我々は半万年もの間存続し続けていた。末法の世の今こそ、人々は思い出すことだろう。我々の旗の翻る様を、我々の高下駄が地を打つ音を。

力強い大望が我らを導く。

何者にも譲ることはなく、残存する時を満身の力を込めて把握するのだ。

​負けない（心で）明日へ駆けていこう。